同じ巻に親しい人たち,かつポジティブ心理学よりの研究が載っておりました!
今北 哲平・仲嶺 実甫子・佐藤 寛(印刷中). 介護職におけるセルフ・コンパッション,コーピング,バーンアウトの関連
⇒海外ではcaregiverとself-compassionの研究は盛んに行われていますが,介護者に限った研究はなかなか無いように思います。
日本のこれからを考えると大切な研究(研究をすること自体が)になりますし,看護職,心理士などにも般化できる知見が書かれているはずです(今はまだ読めないので推測ですが)。
久保 尊洋・沢宮 容子(印刷中). パッション尺度日本語版の作成および信頼性・妥当性の検討
⇒ようやく日本でパッションの研究をおこなうことができます。パッションの第一人者であるVallerand先生は,昨年のIPPAでChristopher J. Peterson Gold Medalを受賞しており,ポジティブ心理学の概念として,パッションは重要な立ち位置を占めつつあります。
おそらく査読時には概念の定義や,概念の説明から苦労された研究かと思いますが,努力思考的な日本人におけるオブセッシブなパッションの肯定的な機能などが検討できると面白いですね。Vallerand先生も喜ぶはずです。
Schellenberg, Benjamin J.I; Bailis, Daniel S; Mosewich, Amber D.(2016).You have passion, but do you have self-compassion? Harmonious passion, obsessive passion, and responses to passion-related failure.Personality and Individual Differences, 99, 278–285.
のようにセルフコンパッションとパッションを両方あつかう研究もあります。
一つ前の号には,「佐藤 洋輔・沢宮 容子(印刷中).同性愛者・両性愛者の抑うつ・不安を高める媒介モデルの検証」も掲載されておりました。なまじLGBT研究をかじりだしたせいで,当分お世話になる研究になるかと思います。
いずれも掲載後の論文を何度も読むことになりそうです。